たまごや日記

日記だから文章はてきとう。過去の私と今の私の間には別人になるようなエピソードが挟まっているかもしれません。

ソルちゃんのいさみあし(4)

(続き。1から順にお読みください。)


これを書きながらも、ソルちゃんのことを考えると、涙が出てきます。
…でも、一人目でこうだったら、私はもっと辛かったかもしれない。
ルナちゃんの存在が、私にとってはものすごく救いになりました。
だからと言って、ルナちゃんがいるからいいじゃない、なんて人から言われたら、その人を憎く思ってしまうでしょう。
自分で思うのと、ほかの人に言われるのでは、わけが違うのです。
自分では思っても、人には言われたくないこと、相棒にも言われたくないこと、たぶんほかにもあるんだと思います。
たとえ、元気付けてくれようとする言葉や慰めの言葉でも、そういうつもりだと私が頭で理解できても、とても心は軽くならないでしょう。
その気持ちはとてもとても嬉しいけれど、私の心がついていけないのです。


それでも、心から願うことがあります。
それは、こんな辛い思いを、何人もの人がすることは無いよ、ということです。
自分はもう妊婦ではなくなってしまいました。
でも、今妊婦の人達には、無事に、元気な赤ちゃんを産んでもらいたいと思います。
自分が流産してしまうと、ほかの妊婦さんが妬ましくて見るのが辛いと言う話を聞くことがありますが、これもルナちゃんのおかげでしょうか、ありがたいことにそういう気持ちにはならないのです。
むしろ、私が辛い思いしてるんだから、ほかの人にはさせないで欲しいと思うのです。
そうじゃないと、もっともっと辛くなりそうなのです。
結局は自分のためのような気がします。
それでも、すべての赤ちゃんが無事に生まれてくることを願ってやみません。


そしてほかにもはじめて気づいたことがあります。
私は、ルナちゃんがいるだけで救われました。
子供って、いるだけでいいんだ。
存在しているだけで。
だから、もし自分が嫌いな人がいたら、聞いてください。
あなたのお母さんは、あなたのことを無条件に愛しています。
あなたがそこにいるだけで。
だから、お願いだから、自分を嫌いにならないでください。
あなたのことを愛している人がいるんだから。


もし、そう思えないと言うのなら、それはあなたが気づいてないだけかもしれません。
いや、お母さん本人が、そのことに気づいていないのかもしれません。
気づかずに済んでいるだけなのではないでしょうか。
もしかしたら、あなたのお母さんがそう振舞えない心の病を抱えているのかもしれません。
そうだとしたら、あなたが自分を嫌っているのって、あなたにとっても、お母さんにとっても、とても悲しいことになってしまいます。


だって、子供を生むのって、育てるのって、大変なんだよ?
8ヶ月くらい、自分のためではなくおなかの子供のために健康に気遣い、下手したら命に関わる出産と言う大業を無し、自分の体も回復していないのに生まれたばかりの子供の世話をする。
これって、すごいことなんだよ?


それに、今回ソルちゃんがまだ来なかったことで、断言できるようになったこともあります。
ソルちゃんが生まれたら、大変かな、お世話が辛いかな、と思ったけれど、来なかったこの辛さを思えば大丈夫。
妊娠できるようになったら、すぐにでもまたあなたにやってきて欲しい。
そして、ソルちゃんがどんなふうに生まれてこようとも、心から愛し、全力で育てていけるでしょう。
大抵の親はそうだとは思いますが、でも、もう、今から断言できます。
ただやっぱり欲張りだから、できれば健康でいてほしい。
そうすると、かわいくて、かしこくて……勝手なものですね。
だけど、あなたがいる、と言うことが一番大切なんだよ。ソルちゃん。


明日から、まだしばらくはソルちゃんのことを口にすることはできないでしょう。
もしかしたら、本当にソルちゃんにあえるまでは無理かもしれません。
だから、もし私と会っても、お願いです。この話はしないでください。
でも、もし話の流れでそうなったら、無理にそらさないでください。
年齢や状況的に、そうなってしまうのはしかだがないし、度々あると思うんです。
私だって、本当は話をしたいんです。ただ、辛いんです。
だから、もしそういう話になったとき、泣いてしまったら、泣かせて下さい。
慰めや、ごめんね、という言葉は無くても、いや、無い方がいいかもしれません。
泣かせて下さい。それだけでいいんです。


なんだか、いろんなことが頭をめぐっています。
明日からも、もっといろいろな思いをめぐらせることになると思います。
でも、今の一番の願いは。


早く、ソルちゃんに逢えますように……